甲南大学デジタルツイン研究所

現在,コロナ禍を経て人々は意識することなく,オンライン上のサイバー空間と実社会であるフィジカル空間の両空間での社会生活が始まりつつあります.このサイバー・フィジカル空間では,ロボットやアバター,VTuberなどを用いて,多様な背景や価値観を持つ人々が性別,障がい等,種々の制約を乗り越えて,社会活動を始めています.

本研究ではサイバー・フィジカル融合であるデジタルツイン社会においてAI技術を用いて,教育への還元と社会への貢献を目的とし,(1)未来創造型研究と(2)社会実装型研究の2つの研究を行います.

(1)未来創造型研究

主に以下の研究を行います

(1-1)生成AIによる甲南大学創立者とのVR,音声,対話生成

数少ない古いデータから,3次元の平生先生を作成し,その身振り手振りの仕草を実現して,学生と平生先生のコミュニケーションを実現します.また,平生先生の筆記と講話集等の古文書より平生先生との対話AIを生成します.
また,平生先生との発話の際に種々の音声より平生先生の音声を生成します.
これにより,学生は平生フィロソフィーを身近に感じることができます.

(1-2)甲南コミュニケーションロボット

人(大学生や中高生)と対話(雑談等)をするロボットですが,対話をする時に対話相手の仕草や顔表情,対話内容等を理解し,それをロボットの動作に反映させる,人と円滑なコミュニケーションをとるロボットの研究開発を行います.

(2)社会実装型研究

近年置き配や自動運転等物流において新たなサービスが始まっています.様々なものの流れを統一して一元管理し,全体の最適化をするためのロジスティックスに注目が集まっています.大手企業においては自社独自にロジスティックスの研究を行い運用していますが,中小企業においてはロジスティックスを実現できていないのが実情です.そこで,本研究では,数理最適化手法や量子アニーリング手法を用いて,中小企業でも手軽に小規模に実装できる新たなロジスティックスの社会実装を目的としています.

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